こまちラボ・八戸市こどもまちなかIT部

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「もう一つの小さな学校」とは??

皆さんは、「オルタナティブスクール」という名前を聞いたことはありますか?

オルタナティブスクールとは、従来の公立学校とは違い、独自の教育方針やカリキュラムを持つ学校の総称です。

公立でも私立でもない「もうひとつの学校」として位置づけられ、子ども一人ひとりの個性や興味に合わせた、多様な学びの場を提供します。

今回は2025年4月に、八戸市青葉に新しくオープンしたオルタナティブスクール「もう一つの学校 静子先生の教室」を立ち上げた田中静子先生にお話を聞いてきました。

取材の様子
(右)田中静子 先生
(左)取材者:吉田 愛(八戸北高等学校 3年生)

取材の様子
(右)田中静子 先生
(左)取材者:吉田 愛(八戸北高等学校 3年生)

一体どのようなどのような事をしているのか?

静子先生の教室は、不登校や学校に行くのが難しいと感じている子どもたちのための「学びと居場所」を提供しているそうです。


具体的には、子どもたちは自分で学びたいことを選び、先生と相談して学習計画を立てます。勉強だけでなく、生活の中で生まれた疑問や興味を調べたり、ディスカッションしたりすることも大切にしています。

ティータイムがあり、みんなでお菓子を食べながら雑談する時間もあるなど、安心できる空間づくりが工夫されています。

この場所は、誰のためにあるのでしょうか?

主な対象は、学校に行きづらい子どもや、普通の学校では力を発揮しづらい子どもたちです。
朝起きるのがつらい、教室に入れない、勉強についていけない、友達との関係に悩んでいるなど、さまざまな理由で苦しんでいる子どもたちが通っています。

保護者にとっても、「学校以外の選択肢がある」という事実が心の支えになる場所です。

なぜ始めたのでしょうか?

田中静子先生は、中学校教頭として不登校の生徒と関わる中で、少しサポートしたら学校に行ける生徒が多かったが、「現場では時間も人も足りず、十分なサポートができない」という課題を痛感しました。

「誰かが変えてくれるのを待っても何も変わらない。ならば自分が場をつくろう」と考え、定年前に思い切って退職し、この教室を立ち上げました。

「新しいことを始めるなら、エネルギーがあるうちに」と決意しての挑戦です。

どのような事を大切にしていますか?

大切にしているのは次の3つだそうです。

1. 安心できる居場所であること
まずは笑顔にさせること、緊張をほぐすことを大切にし、嫌なことは無理にやらせないと約束しています。

2. 得意や興味を伸ばす学び
苦手を克服するより、好きなこと・得意なことを中心に学習計画を立てています。

3. 対話と振り返り
学びの終わりには自己評価や振り返りを行い、自分で考える力を重視しています。

学校で1人ひとりに向き合うためにはどうしたらいいでしょうか?

教育の現場では時間がなく、向き合う時間が限られている様ですが、大切なのは、時間ではなく向き合おうとする気持ちだと教えてくれました。

例えば、授業の中で間違っていても黒板に書く、消さない、アイコンタクトをとる、間違っていてもまず受け止める。
そして廊下ですれ違ったときに声をかける、雑談する、そういった1つ1つの行動が「向き合っている」というメッセージになるといいます。


忙しい現場だからこそ、こうした小さな積み重ねが子どもたちの安心感と自己肯定感につながるのだと教えてくれました。

取材をしてみて

オルタナティブスクールは、学校に行くのが難しい子どもが、学校の選択肢として提供される場であることが分かりました。また不登校や学校に行くことができない理由が多様化している中で、学校以外で学べる環境があることは、その子自身も、その子の親も心の支えになっていることを知りました。

1人ひとりが好きなこと、得意なことを大切にすることは子どもたちの自信になり、子どもがここに居てもいいのだと認めてあげることに繋がるのだと感じました。

今後、1人ひとりの違いを理解し、それぞれのペースに合わせて伴走することができる環境が増えて、学びの選択の幅が広がってほしいです。

この度は取材のご協力ありがとうございました!

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「もう一つの学校 静子先生の教室」公式インスタグラム
https://www.instagram.com/mouhitotsunochiisana/

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プロフィール

PROFILE
PROFILE

(1)参加しようと思った理由

  • 八戸の良さ・課題を知ってもらい、八戸のことが好きな人が増えて欲しいと思ったからです。
  • 自分自身が情報を発信する立場になり、少しでも八戸の役に立つことができたら嬉しいと感じました。

 

(2)IT部で取り組もうとしている内容

  • 八戸市の教育の課題と陸奥湊の良さについて取り組んでいきたいです。
  • 特に、教育の課題では、個別最適な教育について調べ、陸奥湊の良さでは、八戸の温かさも一緒に伝えられたらいいなと思っています。

 

(3)活動を通して期待すること

  • 八戸が今よりも活性化してくれたらいいなと思います。
  • 八戸が好きな人が増えて、八戸に残る人が増えて、八戸っていい所だよって言う人がいっぱいになったら嬉しいです。
アイコン 吉田 愛(よしだ あい)2025
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